著者 |
金子ひろみ |
出版社 |
マガジンハウス |
出版年月 |
2000年12月 |
価格 |
\1,200 |
入手場所 |
ブックオフ |
書評掲載 |
2002年1月 |
評 |
★★☆☆☆ |
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シドニー五輪女子マラソン金メダリストである高橋尚子選手らの合宿に同行し、『食』に関するトレーニングメニューを作りつづけた著者のエッセイ。
ボールダーでの合宿から、シドニー滞在期間まで同行している貴重な方であるが、基本的には著者の日記のような本で、レースに至るまでの緊迫感は全く伝わってこない。 もちろん、そんなことがこの本の趣旨でないのは分かるが、高橋選手は有森選手とは違い、『食』へのこだわりは少ないようで、“栄養”より“食べたいもの”を食べるタイプであるため、“高橋選手ならではの話題”に乏しいこの本の趣旨が曖昧に感じる。
強くなるために、食事は大切。そんなことを教えてくれる意味では、中学生ランナーには適しているが、高橋選手の人気にあやかった便乗本のような印象は拭いきれない。 この本をエリートランナーが読むわけでもないし、ジョガーが記録向上のために読むとも思えない。そうだとすると、せいぜい読むのは部活動世代の子どもを持つお母さん方だろうが、そんな普通の“お母さん”に高橋選手の私生活を暴露する必要があるのだろうか? いったい、出版社はどんな読者を対象にして出版したのだろう?
タイトルにも不満。「食べて、走って・・・」ではなく、「走って、食べて・・・」とくるべきだろう。 食事の大切さがおろそかになっては困るが、「走る」前に「食べる」がくるべきではない。
前作(「メダルへの食卓」)同様、カラー写真で掲載されたメニューが、彩りを添えてくれて、構成はまずまず。 小出監督の練習同様、食事メニューもその人やその日の体調に合わせた臨機応変な対応が必要だということは、この本から学ぶべきことである。
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