著者 |
小出義雄 |
出版社 |
ザ・マサダ |
出版年月 |
2000年10月 |
価格 |
\1,400(税別) |
入手場所 |
ブックオフ |
書評掲載 |
2010年8月 |
評 |
★★★☆☆ |
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本書は、高橋尚子選手が女子マラソン金メダルを獲得したシドニーオリンピック後に出版された書籍で、アトランタオリンピック後に上梓された「夢を力に!」の改訂版だ。
巻末に、鈴木博美選手と高橋尚子選手に関して、雑誌などに掲載された記事を抽出して転載してはいるものの、大半は前作と全く同内容で、ご丁寧なことに、誤字もそのままコピーされている。
したがって、前作を読んでいるのであれば、あえて本書を手にする必要はないだろう。
むしろ、本書は目次にページが振られておらず、「書籍」としての完成度は、前作のほうが高い気がする。
特に残念なのは、高橋尚子選手こそが、本書の出版時期における「時の人」だったはずなのに、彼女についてはほとんど触れられておらず、相変わらず有森裕子選手を特集した、前作からのコピーを掲載している点だ。
高橋選手の金メダル獲得を目指して、ボウルダーに家を建てたことや、常識外れの超高地でのトレーニングなど、著者の武勇伝に加筆するエピソードが数多くあったはずなのに、前作出版以降の件は全くノータッチでは、やや中途半端な印象を感じてしまう。
とは言え、著者の破天荒な生き方や、指導に関する大切な考え方は、何度読んでも面白いので、内容が同じと分かっていても、なぜか読んでしまう。
「小出マジック」、恐るべし。
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