著者 |
小出啓子 |
出版社 |
現代書林 |
出版年月 |
2001年10月 |
価格 |
\1,300 |
入手場所 |
平安堂書店 |
書評掲載 |
2002年10月 |
評 |
★★★★☆ |
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女子マラソン界で数々の名ランナーを育てている、ご存知小出監督。 その小出監督の妻である啓子夫人が、「夫・小出義雄」について洗いざらい語っているエッセイ。
意外と言っては失礼かもしれないが、かなりおもしろかった。 小出監督の策略(?)によって、弱冠ハタチで嫁入りした話から、個性あふれる3人の娘達、夫のセクハラ疑惑、そしてボルダ−での合宿所購入による突然の借金など、本当に胃がいくつあっても足りないくらいの苦労を、楽しく思い出しながら語っていて、啓子夫人の人のよさが窺える。
ちょうど、小出監督の自伝的内容も含んでいる『女性を活かす「人育て術」』を読んだ後で、かなり重複している内容があるが、監督からの視点と、夫人からの視点が対照的で、絶妙な面白みがある。この2冊はあまり日を置かずに読むと、面白さは倍増。 普段は教え子の前では決して否定的なことは口にしない監督だが、夫人の前では結構愚痴をこぼしていたり、監督の素顔がちょっぴり覗けます。
表紙のイラストからは想像もできないような、深刻な話題も登場する。 啓子夫人のおっとりさと忍耐力が無ければ、有森・鈴木・高橋選手のメダルはなかったかもね。 高橋尚子選手の監督は小出義雄さんだが、その小出義雄さんの監督は啓子夫人と言っても言い過ぎではないだろう。そんな啓子夫人の「妻」としてのプロ意識に脱帽。
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