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小出監督の 女性を活かす「人育て術」

小出監督の 女性を活かす「人育て術」
著者 小出義雄
出版社 二三書房
出版年月 1998年4月
価格 \1,500
入手場所 ブックオフ
書評掲載 2001年10月
★★★★☆

 高校教員を経て、リクルート・積水化学で女子長距離界で国際的なランナーを次々と育ててきた、名将小出監督が説く、女性選手の指導に対する考え方を著している一冊。

 かけっこ一筋の人生を歩んできたと、自ら豪語する通り、走ることに対しての夢と情熱は還暦を過ぎた現在でも衰えるどころか、その輝きを増している。
 親の反対を押し切ってまで“箱根を走るために”大学進学を断行した逸話や、高校教師として日本一を目指した、「指導者・小出」の原点など、破天荒な監督の半生も振り返られていて、自伝的内容としても非常に興味深いが、なんと言っても監督はヒトをその気にさせる名人だ。

 冷たいエーゲ海での遊泳や、タイミングを見計らった心に響く一言など、それまでの数々の経験を元にした緻密な選手操縦法が、世界のトップに立てる選手を育ててきた秘訣なのだろう。
 「選手の良いところを見つけてとことん褒める」というのは簡単なことではないと思う。選手も時にはわがままを言うこともあるだろうが、それをこらえて選手をその気にさせるところに監督の凄さを感じる。

 ビジネス書籍として出版されたようであるが、この一冊から「指導における最も大切なこと」を教えてもらった気がする。

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