著者 |
作:佐藤多佳子
画:安田剛士 |
出版社 |
講談社
(マガジンスペシャル) |
出版年月 |
2007〜2010 |
価格 |
各\440〜 |
入手場所 |
bk1他 |
書評掲載 |
2008年10月 |
評 |
★★★☆☆ |
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高校生の4継(4×100mリレー)を舞台に大ヒットした小説の漫画版。
こんなことを聞くと、ストーリーも変わらない漫画版では大した期待はできないだろうと思いがちだが、登場人物の目の輝きや、筋肉が躍動し、疾走する姿がリアルで、意外にも迫力ある様子が伝わってきて驚かされた。
走っているときには、前だけを見据えてキリッとした表情を見せたかと思えば、好意を寄せる女子部員の前では子供のような笑顔に変わる。小説版では、登場人物の表情や感情、季節や風景を想像しながら読むのも楽しかったけれど、小説の中で語られている場面は、実はこんなにも心をときめかせている瞬間だったのかなーと思うと、同じ場面でも、違った感情を抱かせてくれる。 また、フォントの種類やサイズ、驚いた時のビックリマークや擬音なども、漫画ならではの魅力で小説とは一味違った面白さもある。
もちろん、ストーリーはシンプルで分かりやすいので、小説を読んでいなくても、この漫画だけでも十分に陸上競技のおもしろさが伝わってくると思う。 かつて大ヒットした「スラムダンク」や「テニスの王子様」などが中高生の競技人口を拡大させたように、このシリーズがジュニア世代に陸上競技の魅力を伝える起爆剤になってほしいなーと期待してしまいます。
※ コミック単行本は全6巻。参考書籍:小説版「一瞬の風になれ」
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