東京パラリンピックを楽しむために図書館で借りてきた関連書籍を、ようやく昨日一冊読んだと思ったら、翌日にはその著者が見事な金メダル獲得。
彼女の歩んできた道のりを自著で知ったばかりだったので、本日早朝に行われたパラリンピックT12女子マラソンでは、テレビの前に陣取り、リアルタイムで応援してしまった。
本書は「パラリンピックのアスリートたち」と題された全4巻シリーズの一冊で、一般的には馴染みの薄いパラアスリートの生い立ちと活躍を綴った児童書で、障がいの有無にかかわらず生きる勇気と希望を与えてくれる指針を教えてくれるようだ。
内容は自著「いっしょに走ろう」をベースに、児童向けにルビを振りながら読みやすい配慮がされている。
著者が視力を失った経緯は前著の通りだが、本書では銀メダルを獲得した、リオデジャネイロパラリンピックでの活躍も紹介していて、今回の東京大会につながる経緯を知ることができ、本日のレースをより楽しむことにつながった。
意外にも、視覚障がい者マラソンがパラリンピックで正式競技として採用されたのは、前回のリオデジャネイロ大会が最初だったそうだ。
そんなパラアスリートの先駆者として、夫や仲間のサポートを受けながら、挑戦しようとする姿が読者を勇気づけてくれる。
つい先ほど行われた東京パラリンピックでは、20km過ぎで先頭を走る選手に追いつき、30km以降は独走だった。
記録は3時間0分台と、健常者の記録から比べると平凡であり、レースの様子を見る限りでは、パラリンピックで勝つことはたやすいのではないかと思えてしまうかもしれない。
だが、視力を失われている状況で練習することの大変さは、我々の想像を超えていることが、本書を読んでよく伝わってくる。
なにより、パラリンピックの知名度が高まるにつれて、障がい者が社会に受け入れられる土壌を育ててくれるという点で、パラアスリートが牽引していることは間違いないだろう。 |