著者 |
相沢友子・
永山翔平 編著 |
出版社 |
日本テレビ出版 |
出版年月 |
2002年12月 |
価格 |
\1,100 |
入手場所 |
平安堂書店 |
書評掲載 |
2003年3月 |
評 |
★★★★☆ |
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日テレ開局50周年記念ドラマとして、2003年1月2日に放送された番組(主演・福山雅治、小栗旬)を小説化し、ドラマ放送に先駆けて昨年末に発売された書籍。 拓殖大から、実業団の強豪・NECに進み、将来を嘱望されたが、志半ばで病に倒れた佐藤大輔選手。その父・忠広さんが著したノンフィクション「僕、死ぬんですかね」に脚色を加えた内容で、実在の人物が登場人物になっている。
一匹狼の政治記者がスポーツ部に左遷され、担当した箱根駅伝の取材を通じて仲間の大切さを知っていく。しかしそれを教えてくれた大輔はもう二度と戻ってこない。 TVドラマ版もおもしろかったけれど、その後にこの書籍版を読むと、「(あの表情にはこんな感情が隠されていたのか)」と、一味違った視点で楽しむことができる。
TVドラマ版は、お正月のゴールデンタイムに放送された番組であるためか、「死」に対する緊迫感や、駅伝に臨む選手たちの緊張感はほとんど伝わってこなかった。基本的に、家族みんなでおせちを食べながら、ほのぼのと楽しんでもらうことが製作者の意図なのだろう。 この書籍版も、そんなTVドラマ版のイメージが強いためか、また軽い文体によるためか、緊迫感のようなものは伝わってこない(まるでドラマの台本のよう)。 書籍化するにあたり、もう少しセリフとセリフの間を埋めるような言葉がほしかったのが残念。
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原作「僕、死ぬんですかね」はまだ出版されていませんが、拓大箱根駅伝いれこみページに原文が掲載されています(管理人に承諾を頂いた上で、リンクを張らせてもらっています)。こちらの方は家族の愛や、「死」に対する恐ろしいまでの緊迫感であふれています。
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