著者 |
佐藤次郎 |
出版社 |
洋泉社 |
出版年月 |
1999年3月 |
価格 |
\1,600 |
入手場所 |
学生生協 |
書評掲載 |
2001年2月 |
評 |
★★★★★ |
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箱根駅伝では予選会の常連だった神奈川大学に、大後栄治氏が就任して以来、徐々にではあるが着実に強くなっていった過程を描いたノンフィクション。
大後氏がコーチに就任した当時(1989年)は予選会すら突破できない状態だったにもかかわらず、わずか7年間で頂点に上り詰めるまでに至った(1997・1998年と連続優勝)。 決して高校で実績を残している集団ではない彼らが、どうして頂点に立てたのかが、専門的な内容にも触れながら描かれていて、特に学生ランナーには共感できる内容である。
近年の学生駅伝では、選手のビジュアル的な面がクローズアップされる傾向があるが、この本は220ページにも及ぶ量ながら、挿絵や写真は一切掲載されていない。 しかし、決して学者の書くような堅苦しい内容ではない。むしろドラマのような物語性があり、読んでいて、そのときの情景が浮かんでくる内容で、あっという間に読め終えてしまう。
彼ら雑草軍団の軌跡は、多くの学生ランナーに大きな自信と勇気を与えてくれるだろう。箱根駅伝を目指すか否かはこの際関係なく、長距離を愛する全ての人に読んでもらいたい珠玉の一冊。
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