著者 |
歌代幸子 |
出版社 |
新潮社 |
出版年月 |
2000年7月 |
価格 |
\1,400 |
入手場所 |
学生生協 |
書評掲載 |
2001年2月 |
評 |
★★★★☆ |
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シドニーオリンピック後に出版された「シドニーへ 彼女たちの42.195km(増島みどり著)」が、同大会女子マラソンの総集編ならば、同大会前に出版されたこの本は「オリンピックを楽しむための」情報源と言った意味合いが強い。
本書は、シドニーオリンピック出場のための厳しい選考過程を追ったルポであり、オリンピックが終わった今になっては、若干新鮮味が薄れてしまった感はぬぐえないが、それぞれの選手への細かな取材を通じて、事実を淡々と伝えようとする記述に好感が持てる。
本書のなかで最も印象に残った内容として、アトランタオリンピックで浅利純子選手が、靴擦れの原因をシューズメーカーのアドバイスのせい、と受け取られかねない発言が物議をかもしたことについて触れられている。これについては、浅利選手の談話と、シューズメーカーの三村仁司さんの反論が、それぞれ別の章で掲載されている。
力を十分に発揮し切れず、敗因をシューズに求めてしまう選手と、寝耳に水の非難を浴び、敗因を作った犯人とされてしまったサポーターとの悲しい対立を感じ、いたたまれない気持ちが残る。
「有森裕子」「高橋尚子・鈴木博美」「浅利純子」「市橋有里」「山口衛里」「弘山晴美」ら、シドニーオリンピック代表選考にかかわった有力選手が、1章ずつ登場しています。
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