著者 |
スポーツ・グラフィック
ナンバー 編 |
出版社 |
文藝春秋 |
出版年月 |
1998年7月 |
価格 |
\1,700 |
入手場所 |
古本屋 |
書評掲載 |
2001年2月 |
評 |
★★★★☆ |
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スポーツ専門誌「Number」のなかから、特に選りすぐりのレポートを集めた短編集。
メインテーマは野球(ベースボール)だが、巻末には、「走らざる者たち(平塚晶人著)」が収録されていて、これが読みたいがために手にしてしまった。
主人公は山梨学院大で箱根駅伝を走るために四年間を費やしたが、走ることがかなわなかった選手達である。しかもこの年には、あの中村裕二選手の途中棄権があった年で、彼らがそれをどう見つめていたのかもレポートされている。 最近では、箱根駅伝の総集編として、「もうひとつの箱根駅伝」なんてのが、箱根駅伝の数週間後に放送されているが、その書籍版とでも言うべきだろうか。 メンバー選考過程での首脳陣の息詰まるような会話と沈黙のシーンは、まるで時計の秒針がリズムよく時を打つ音が聞こえてきそうなぐらいの緊迫感が伝わってくる。
作戦そして誤算。駅伝にはありがちなことだが、崩れかけたチームを、上田誠仁監督はどうやって立て直したのだろうか。この本には、そこまでは触れていないが、そんなことを考えさせられたりもしてしまう(ちなみに、翌年の山梨学院は予選会から勝ちあがり、本戦では準優勝の結果を収めている)。
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