著者 |
石田雄太 |
出版社 |
出版文化社 |
出版年月 |
1998年1月 |
価格 |
\1,400 |
入手場所 |
ブックオフ |
書評掲載 |
2003年2月 |
評 |
★★★★☆ |
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スポーツの世界で勝敗を分けるのは、肉体と技能を限界まで鍛えた選手の力だけではない。 さらに、オリンピックという世界最大のイベントには、政治・社会、そして経済的な様々な要因が彼らを取り巻いている。
この作品は、選手のパフォーマンスを最大限に引き出すべく、科学と経験を駆使してスポーツ用具の開発に情熱を注いでいる挑戦者たちの熱きドラマである(プロジェクトX風に)。
スケートのスラップ・スケートや、水泳の鮫肌スーツ。最近では、“飛ぶ”ゴルフクラブや、野球のバットなども思い浮かぶが、いまやスポーツ用具は単なる道具から、スポーツ・ギアと呼ばれる武器となり、スポーツ・ハイテク戦争の主役に踊りだそうとしている。 「この靴を履いて速く走れなければ、フォームに狂いが生じている」と語らせるまで、極限までに選手の理想的なフォームを追求して開発した、陸上100mのミッチェル選手のシューズ。 販売促進のために、気まぐれな選手たちに最高の水着を開発しようとしたメーカーもあれば、全く利益につながらないのに開発しなければならない、ローカル・スケートシューズメーカーなど、スポーツ用具を巡る様々な主人公から、スポーツとはいったいなんなのかについて非常に興味深い課題を与えてもらった気がする。
他には、ジャンプのスキースーツやアルペン種目のスキー板、アシックス・三村仁司さんのシューズ(有森裕子選手と浅利純子選手のアトランタオリンピック)などの話題が収録されています。
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