著者 |
大野誠治 |
出版社 |
中経出版 |
出版年月 |
2000年8月 |
価格 |
\1,500 |
入手場所 |
文教堂書店
小平店 |
書評掲載 |
2001年2月 |
評 |
★★★★☆ |
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著者は経済評論家であるが、経済的不況が企業スポーツに多大なダメージを及ぼしている昨今、「企業の視点から」企業スポーツのあり方を検証していると言う意味では、貴重な一冊ではないだろうか。
舞台はタイトルのとおり(経済的な意味での)業界最大手の「旭化成」である。 言わずと知れた日本の“マラソン王国”であるが、選手達は決してプロでもなければ、契約社員でもなく、きちんと仕事を行った上で競技を行っている。 本書のなかで、旭化成は業績が悪化しようともクラブはつぶさないと語っているが、選手を単なる企業CMとして扱うのではなく、『社会人』であることを前提に捉えている。これは中学や高校の部活動が、生徒の人格形成に重きをおいているのに似ている気がする。
ちなみに、1991年に東京で行われた世界選手権で、同社所属の谷口浩美選手が優勝した際、谷口選手はインタビューの際に、社長の名前をフルネームで挙げて御礼を述べたそうである。おそらくこれほど会社に敬意を払っている選手はかつていなかったのではないだろうか。
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