大学駅伝この1冊でまるわかり
|
|
大学駅伝といえば、箱根駅伝を思い浮かべる人が多いのだが、実は箱根が関東エリアのローカル大会に過ぎず、全日本大学駅伝こそ、全国規模の大会である事実は、意外と知られていない。 歴史ある全日本大学駅伝が50回の節目を迎えるにあたり、同大会を主催する新聞社が出版した本書は、馴染みのある関東の大学だけではなく、福岡大や京産大など、関東以外の大学が躍進した過去の大会を振り返ったり、難関国立大学として知られる東北大に通う選手らの一日に密着してみたりと、関東一辺倒の大学駅伝界にあって、ファンの視野を広げてくれる興味深いテーマを数多く紹介してくれる。 とりわけ、プロの新聞記者が描写する「記者コラム」は駅伝愛に満ちていて、どの回も夢中になってしまう。 たしかに現在は関東勢が圧倒的な存在感を示していて、本書も東洋大・酒井俊幸と駒大・大八木弘明との対談を特集するなど、関東勢中心の記事になっていることは否めないものの、第1回大会から続く貴重な記録集や新聞記事を掲載するなど、駅伝マニアには垂涎のデータを惜しみなく掲載してくれる(わが母校が第1回大会(1969年)に出場した公式記録を初めて確認できた!)。 |