著者 |
青弓社編集部 編 |
出版社 |
青弓社 |
出版年月 |
2000年12月 |
価格 |
\1,600 |
入手場所 |
平安堂書店 |
書評掲載 |
2003年2月 |
評 |
★★★☆☆ |
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いまや、スポーツはブラウン管の前で楽しむのが当たり前になっている中で、その実況や放送局の姿勢、カメラワークに至るまで、様々なスポーツ種目の中継放送について辛口な批評を述べている。
表紙はおちゃらけた印象があるが、内容はかなりマジメで、共感する場面が多い。 競技について無知で、選手に対して敬意を抱くこともできないタレントを司会として起用してしまう放送局・・・。権威ある国際競技会をコンサート会場にしてしまう観客動員作戦・・・。いずれも大衆に迎合する余り、プロフェッショナルな選手の一挙手一投足を観察するためには、集中できない環境を作り上げてしまっている。
引退した選手の天下り先としての解説者は、もはや必要ない。興奮を伝えようとする余り、叫ぶしか能のないあげくに、番狂わせが生じた時には言葉を失ってしまう無能なキャスターも要らない。 こうなったら、BS副音声で試みられているメジャーリーグ中継のように、球場の“生”の音声以外は流さない方が、よっぽど競技の緊迫感が楽しめる。 多チャンネル化の現在、こんな思い切った放送があってもおもしろいだろう。
巻末に記されている執筆陣の略歴が、簡略すぎることがやや不満。 これだけ歯に衣着せぬ批評をしておきながら、執筆者がいったいどんな人物なのかは明確にしておかなければ、ネット掲示板への無責任な書き込みと変わらないのではないだろうか。 大学の教授ならば、何を専門にしているかは、最低限盛り込まなければいけない条件だろうし、箱根駅伝の批判をしている執筆者の職業は「周辺文化評論家」とあるが、いったいなにをやっているのだろう・・・。
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