著者 |
小出義雄 |
出版社 |
幻冬舎 |
出版年月 |
2000年8月 |
価格 |
\1,400 |
入手場所 |
平安堂書店 |
書評掲載 |
2001年2月 |
評 |
★★★★☆ |
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シドニーオリンピック開幕直前に出版され、「あとがき」に書かれている、著者である監督の読み通りにレースが進行したことで、女子マラソン後に爆発的に売れた作品で、まさに時勢を読んだ一冊だ。
選手の個性を重んじ、選手を褒め、選手をその気にさせていく小出式指導法は、どうやら長年の学校教育からきているようである。 どんな生徒にも優れた点はあるし、そんないいとこを徹底的に伸ばせば世界一でも夢じゃない、そんな監督の言葉が、読んでいる者を励ましてくれる。 オリンピック直前に刊行されただけあって、オリンピックを楽しむための情報源として、「マラソン競技のおもしろさ」と題された章もあり、素人向けにも優しく書かれている。
左の朝日や、右の産経といった全国紙社説にも取り上げられるほど話題を呼んだこの作品。オリンピック云々ということだけでなく、女子選手に対する人心掌握術というのが、とてもためになるし、強くなる選手というのは、確かにこんな人達だなーと感じることがたくさん書かれている。 監督が選手に対して情熱を注いでいるだけ、選手がそれに答えてくれる、そんなことを教えてもらった気がしてしまう。
(竹中直人主演でドラマ化もされました。現在は文庫化されています。)
ちなみに、教え子の高橋尚子選手が金メダルを獲得したシドニーオリンピック女子マラソン前に出版された初版本の帯は、同レース後のものとはデザインが異なっていて、ちょぴりプレミア物(?)である。
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