著者 |
奥田英朗 |
出版社 |
幻冬舎 |
出版年月 |
2002年8月 |
価格 |
\850 |
入手場所 |
平安堂書店 |
書評掲載 |
2003年5月 |
評 |
★★★★☆ |
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内容は、雑誌に連載された記事をまとめた短編集となっている。 スポーツを純粋に楽しんでいる人には失礼な内容かもしれないが、この本は純粋に“おもしろい”。
著者はスポーツがあまり得意でないようで、スポーツという娯楽を、一歩引いた視点から醒めた目で見ていて、“所詮スポーツじゃん”という捨て台詞が聞こえてきそうである。 著者のスポーツの見方、そして文章は、二宮清純氏のようなスポーツをドラマとして捉える見方とは対極にある。 もちろん、ドラマとしてのスポーツも好きだけれど、時にはこんなに軽く、スポーツ選手を小ばかにしたような本もイイ。 「(オレたち、これだけ頑張っているけど、所詮スポーツなんだよな)」なんて考えると、気が楽になる。 正月に高視聴率を叩き出し、いまや大学スポーツの頂点として君臨する、あの箱根駅伝ですら、高視聴率の原因を一刀両断し、快活な分析を行っている。 いやはや痛快である。
ちょっと疲れたときに読むには最高の内容だが、あくまでアウトサイダーとしての立場からの風刺として楽しんでほしい。
良心的な価格もうれしい。気軽にどこでも読める一冊としてお勧めです。
※ 現在は文庫化されています。表紙のデザインにちょっとドキッとしてしまうかもしれません・・・。
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