著者 |
桜沢エリカ |
出版社 |
マガジンハウス |
出版年月 |
2010年5月 |
価格 |
\1,200(税別) |
入手場所 |
楽天ブックス |
書評掲載 |
2010年8月 |
評 |
★★★☆☆ |
|
体重増加に悩む25歳のOL・遠藤ミル子が、自身のスタイル維持のために決死の覚悟で行動に出た。
それは、自称「超・箱根駅伝フリーク」で、スタイル抜群の先輩社員に誘われた、ランニングだった。
周囲の知人からは続々と結婚報告を受け、「結婚予備軍」たちはスポーツジムへ通いながら、せっせとダイエットに励んでいる環境のなかで、焦りと不安が募るミル子ではあるが、これといった運動経験はない。
「どうしても体重を落としたい」と望むミル子は、同僚や合コンでの人脈を頼りながら、ランニングコーチを見つけようとするのだが、実は動機はそれだけではなく、あわよくばその関係から「イケメン」男性とお知り合いになりたいという、若い女性ならではの隠れた本音が見え隠れする。
本書は、女性向けファッション雑誌「アンアン」に連載されたコミックだが、本書を読んでいると、つくづくランニングが社会のなかで市民権を得た存在となっていることに気付かされる。
ひと昔前まで、女性が走る姿を見かけることはほとんどなかったと思うが、ウェアもおしゃれになり、女性を意識したランニング書籍も次々に刊行されている。
本書においても、登場人物は決してストイックな気持ちで走っているのではなく、ファッション感覚で軽快に楽しんでいる様子が伝わってくる。
また、映画「風が強く吹いている」をストーリーに絡ませたり、最近の箱根駅伝でブレイクした実在の選手を登場させたりと、雑誌ならではの新鮮な時間軸を感じることができる。
ストーリー展開自体には、若干ムリヤリ感を感じてしまうが、ところどころに、春夏秋冬のランニングファッション講座も掲載されていて、これから走ってみようかなと考えている女性にはうってつけの作品と言えるだろう。
|