著者 |
谷口浩美 |
出版社 |
出版芸術社 |
出版年月 |
1992年12月 |
価格 |
\1,200 |
入手場所 |
学生生協 |
書評掲載 |
2001年2月 |
評 |
★★★★☆ |
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1991年東京世界選手権・マラソンのチャンピオンである谷口選手の自叙伝。 陸上を始めるきっかけや、世界の頂点に立つまでの軌跡を、本人の心の葛藤や練習での不振なども含め、事細かに描かれている。 レース前夜の緊張感や、レースでの相手との駆け引き、なぜ負けたか、なぜ勝つことができたかを客観的に分析していて、若い現役選手にとって大変参考になる。
おそらく、これほど克明に己の過去を見つめることができるということは、それだけ細かく「練習日誌」を記していたのではなかろうか。
中山選手や瀬古選手に比べれば
、特筆すべき走力が見劣りすると思われていた谷口選手が“世界の頂点”に立てたのは、「どんな練習がどんな結果を導いたか」「不振の原因はどこにあるのか」などを反省し、次のレースに活かしていたのだろう。 この本は自身の練習日誌をそのまま掲載してしまったのでは、と思わせるぐらい、当時の心の動きなどを鮮明に書かれていてリアリティに溢れている。
谷口選手の真摯に競技に取り組む姿勢を見習わなければならないと感じさせてくれる一冊である。
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