著者 |
武田薫 |
出版社 |
ランナーズ |
出版年月 |
1989年6月 |
価格 |
\1,200 |
入手場所 |
ブックオフ |
書評掲載 |
2002年3月 |
評 |
★★★☆☆ |
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女子マラソンの草創期を駆け抜けた、ポルトガルの小さな女王・ロザ・モタ選手の生涯を追ったノンフィクション。
マラソンという過酷な競技の中にあって、時折見せる笑顔が印象深く、またロスとソウルのオリンピックで、2大会連続のメダルを獲得するなど、一見すると華やかな活躍ばかりが目に付くが、彼女の歩んできた道のりは決して平坦ではない。 サッカーがスポーツの中心である祖国・ポルトガルでは、女子選手がスポーツを行うことは奇異な行動に見られていたようで、周囲の偏見や、陸連との確執に反発していた様子からは、他人の敷いたレールには乗りたくないという、彼女の強い意志が感じられる。
ポルトガルに初の女子種目での五輪メダルをもたらした功績は言うまでもなく、女性がスポーツで活躍する道を切り開いたという、開拓者としての功績もまた、忘れてはならない。 パンフィル選手やマシャド選手など、その後のポルトガルの女子マラソン界に大きな影響を与えたことは間違いない、まさにポルトガルの英雄の一人だろう。
内容的にはおもしろいが、話の流れが飛び飛びになっていて戸惑う。 陸連との確執があったかと思えば、その数行後にはソウル五輪で優勝しているなど、話の展開が早すぎる。
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