著者 |
別所功 |
出版社 |
日本文化出版 |
出版年月 |
1984年8月 |
価格 |
\980 |
入手場所 |
市立図書館 |
書評掲載 |
2005年9月 |
評 |
★★☆☆☆ |
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「一卵性親子」とも揶揄され、選手の私生活まで徹底的に管理し、次々と輝かしい成績を収めてきた中村清監督と瀬古利彦選手の師弟の素顔と、ロス五輪に至るまでの道のりを追った作品。
著者は早大・競走部のマネジャーを務めていた経歴があり、関係者しか知り得ない、貴重な話題も収録されているので、師弟に関する知られざるエピソードに興味を惹かれた。 しかし、それらには著者の実体験が少なく、うわさや伝聞を元にしたものがほとんどなので、検証した形跡の薄い記事をうのみにはできず、フィルターを通して読んでいく必要があるように感じた。 また、作品の3分の1近くを占めているたくさんの写真が、本書の特徴のひとつでもあるが、今で言うところの、タレントのフォトエッセイ調の構成が中途半端で、しかも不必要な写真がセンスなく配置され、文章の流れが止められてしまう。
読後の感覚として、著者が本書で一体なにを伝えようとしているのか分からず、瀬古選手の人気にあやかった「タレント本」もどきの印象が残った。
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